カヌー科学館

 No.1 浮力について

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 1 浮力とは

  浮力とは、液体中にある物体を上方向に浮き上がらせようとする力を言う。

  浮力の大きさは、液体中にある物体が押しのけた体積の液体の質量となる。
  これは 「 アルキメデスの原理 」と呼ばれ、中学校の理科で習ったことである。
  古代ギリシアの数学者、物理学者、技術者、発明家、天文学者であるアルキメデスが発見した法則。

 2 比重とは

 比重とは、ある物質の密度と、基準となる物質の密度との比で、固体及び液体に対しては水(4℃)、気体に対しては、同温度、同圧力での空気との比。
 例えば 鋼鉄 7.8、鉛 11.43、銅 8.82、アルミニウム 2.68、砂 約2、コルク 0.24、など
 
 3 人間の浮力

  人間の比重は 0.92〜1.06といわれ、筋肉 1.1、脂肪 0.9、骨 2.0、血液は 約1.05 と組織により異なり
 個人差がある。 当然ながら、空気を胸いっぱい吸い込むと比重は小さくなる。

  ちなみに日本人の血液比重の標準範囲は、男性 1.052 〜 1.060、女性 1.049 〜 1.056

  比重1を越えている人は見ずに浮かないが、息を胸にいっぱい吸い込んで
 体の体積を大きくしてやれば1より小さくなり浮くことが出来る。
  海では浮きやすいと言われているのは、塩などが海水に溶け込み比重は約 1.03と大きいためである。
  死海の塩分濃度は、23〜25%と言われるので軽く浮くわけである。

  人間の比重範囲で一番小さい 0.92の人で、仮に体重 50kgの場合、浮力は
  50 x ( 1− 0.92 )=4 kg と意外と小さい。
  静水でそっとしていれば浮いていられるが、流れで水中に引き込もうとする力が4kgを越えれば
 沈んでしまうことになる。

  通常使用するライフジャケットは、7〜8 kgの浮力があるので、人間の浮く力に比べ大きく、体の浮力と合わせ
 2〜3倍の浮く力を持つのでダウンリバーでは必須な訳である。
 
 

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