酒匂川 ( さかわがわ) カヌーツーリング No.4 9
 松田町庶子〜飯泉橋 2011.1.13 (木)

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 個人輸入したドライスーツの調整をし、試しに初漕ぎを兼ねて行うことにした。
 狩野川も考えたが、近くの酒匂川を漕いでみようという気になった。
 自宅からゴール地点までは1.5kmという近さ。
 ゴールは散歩コースの一つでもある。

 しかし、酒匂川にはテトラポットの堰が多く、今までの重い艇を担いで超えるのは大変ということで敬遠していた。
 昨年秋、軽量のバンディットを購入し、久慈川での大きな堰越えも経験したので、一度は地元の川を漕いでみようと思っていたので丁度良い機会だと踏み切った。

 酒匂川は富士山の東南麓と丹沢山地の西南部が主な源流だが、発電所の取水が多く、カヌーをできるのは松田町より下流である。
 松田町庶子からスタートし、飯泉橋の上流をゴールとした。 距離8.9km。
 ゴール直下に大きな飯泉取水堰があり、これをポーテージするのには500m以上運ばなければならないので、残念ながら3km下流の河口までは下れない。
 

  米国より届いたドライスーツ。首、手足は天然ラバーでシールされている。 テーパー状のラバー部分を自分のそれぞれの適度な直径に切り取り、締め付け具合を調整する。
 当然緩すぎると水が浸入する。ラバーは使用に従い伸びることも考慮し慎重に径を決めた。
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  富士道橋 -0.52
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  酒匂川の左岸をスタート地点に決めた。階段があって都合が良い。 右岸側には10kmほどのサイクリングコースがあるので何度か走ったことがあり、ある程度川の様子も分かっている。 堰が多いので、前日にも入念に位置を頭に叩きこんだ
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 艇の準備が済み、ドライスーツに着替える。
 ジッパーも防水なので硬くて慣れないと大変。昨日ロウを塗っておいた

 階段を降り水辺に向かう。流れがすぐ傍なので楽だ
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 出発準備完了

 11:10 スタート 河原への階段が便利だった
 妻がサポート・撮影を受け持ってくれた

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 酒匂川は昨年の豪雨で決壊個所があったためか、半年間ほど泥水だったが やっと最近濁りが薄れてきたのも実行決断の理由

 200mほどで落ち込み。結構な波、コース最大だった。
 昨年まで松田町の橋の工事をしていたため人工的に掘られたような感じの流れだった
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 落ち込みを振り返る。初っ端で頭から水しぶきを浴びたが、ドライスーツのおかげで濡れもせず暖かく快適
 

 松田町付近の酒匂川は東西に流れ、JR御殿場線・国道246号に平行だ。
 街の中心部から南向きに変わり大井町、小田原市を通って相模湾に注ぐ。
 左、山の中腹の白い建物は松田ハーブ園。近年 早咲きの河津桜の名所にもなっている。
 右は松田町内の橋
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 南足柄市に繋がる 新十文字橋。
 ここも掘られたような流れ
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 意外と波があるので面白い

 新十文字橋を振り返る。面白い瀬だった
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 すぐに十文字橋。一昨年の大水で橋桁が流失し、復旧工事のため水路が変えられていた。 その先に小田急の鉄橋
 

 小田急線の鉄橋。 電車が通過するまで岸の蘆につかまって待っていた
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 小田急線の鉄橋下には堰が。 他に気を取られ危うく突っ込むところだったが慌ててフェリーで岸に。
 2mほどの落差があり突っ込んだら危険だ。
 落下も危険だが、増水時にはバックウォッシュも怖い
 昨年中津川カヌー事故もほとんど同様な構造の堰で発生している
 

 [ 衛星写真 ] 左、斜めに走る小田急線。
 左上端は十文字橋。その下流に川幅全部に堰堤がある。
 この写真も含め前日に危険部分を再度眺め、頭にタタキ込んだつもりだったが ホリゾンタルラインの感受性が鈍かった
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 望遠で堰の下流から
 左岸をポーテージ

 堰の真横から。 左岸末端には小さな砂州があり上陸も簡単だったが、水位が高いと岸まで速い流れになると思われるので要注意だ
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 ポーテージの様子。望遠で複数枚撮影を合成。 一旦岸に上がり傾斜の丸石を固めた堤防を下る
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 堰の下流から。斜めの角度は緩やかそうに見えるが上から見ると真下に落ちているように感じた
 水量が多いと激しい循環流ができ大変危険そう
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 11:20 ポーテージ完了して下流へ漕ぎだす

 堰の下流側。 浅く丸石ゴロゴロなので避けながらも多くて、突っかかりながら下った
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 渋沢方面からの支流、川音川(右)合流地点。 右は松田町健康福祉センタ下の広い河原に車が入れる。
 サポート隊はスタート地点から十文字橋付近までは堤防上を走れたが、その後松田町内を通過するため、ここで待ち合わせ

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 11:30 サポート隊と合流後再スタート。 対岸は開成水辺スポーツ公園
 

 約500mで足柄大橋

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 足柄大橋通過。
 上流側からは逆光なので振り返って眺める

 1km弱で取水堰。右岸側に水門がある


 [ 衛星写真 ] 
 事前の感じでは中央か左岸側を渡ろうと考えていた

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 堰の全貌
 堰の前は全般に浅いが一部引き込まれる流れがある
 漕ぐ力が弱いと流されてしまうので注意。できるだけ手前で上陸


 
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 一旦 中州に上陸して左右どちらから渡ろうか様子を見た。 右岸、水門側に決定しポーテージ。
 複数コマを合成し移動経路を。この先左へ50mほどフェンスの末端で河原に降りた。

 堰の前後は通路にはフェンスが設けられ立入禁止なのだろうがショートコースで失礼。
 水色部分は取水口。 稲作時期には吸い込まれるかも。
 ここより50mほど上流に階段があるので上陸に利用するとよい
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 堰のパノラマ。ほとんど水は流れておらず中央の魚道と左岸側のオーバーフローのみ
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 ポーテージ後の再スタート地点


 再スタート後 堰の様子
 

 堰の下は右岸側を通る。 建設中の橋。
 開成町と大井町を結ぶ
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 建設中の橋を通過

 建設中の橋 左岸側。流れは左右に分流している
 私は右岸側を通った
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 何故か中州を造成中?
 向こうに聳える箱根外輪山 明神岳

 流れは左岸側に移る
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 時折適度な瀬があり飽きない

 右上の瀬を通過後振り返った風景
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 報徳橋
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 報徳橋の手前を進む。
 手前のアーチは水道橋。この先にテトラの堰があるので注意して進む

 12:20 報徳橋を通過し振り返る
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 報徳橋下流の堰。 手前に小さな落ち込み

 ほとんど埋まっているテトラポットの堰

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 [ 衛星写真 ] 上/左写真のテトラ列、上が報徳橋
 上に細い白い線が小さな落ち込み

 報徳橋下流 2つ目のテトラの堰 500m間隔。 中央の砂利で埋まった所を担いでポーテージ
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 ポテージをサポート隊が確認撮影
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 報徳橋下流3番目のテトラ。500mごとに並んでいる
 スカウティングし、流れの右側は沈下しているので細い水路を通った

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 テトラが沈下しており通過できた。右の細い流れを進んだ

 左岸側を進む。 正面は富士道橋
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 富士道橋手前のテトラの堰。
 

 左岸側はテトラが無いので楽に通過
 小田原アリーナ横
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 テトラのない部分を通過し振り返る。
 どれもこのようなら良いのだが

 富士道橋上流から下流を望む。テトラの堰を通過中
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 富士道橋下流から

 このあたりは砂が堆積し浅く、深い所を探して下る
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 富士道橋下流 またもや2番目の堰。どれも500mごと

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 テトラポットの間を引きずって移動
 小田原アリーナの屋根が美しい

 テトラポットの上を歩きながら、水が適度に流れている部分で艇を引く
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 下流側。ここで落ちないよう慎重に乗り込む
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 再スタート

 開通して間もない富士見橋

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 富士見橋を振り返る。
 ここまでは自宅からの散歩コースだ

 富士見橋下流。 向こうに小田原厚木道路の橋


 
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 またもやテトラの堰。
 流れが浅く緩やかなので引いて歩いた

 小田原厚木道路の橋通過
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 小田原厚木道路の橋を振り返る

 最後のテトラの堰。右側は沈下し通過できた。
 昨年の大水でこの付近の流れは大きく変わった
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 ゴールの河原、飯泉橋が見えてきた
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 13:30 ゴール

 ゴール

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 ポーテージも多かったが、予想していたより小さな瀬もあり楽しかった

 撤収作業。 ドライスーツで暖かく 冬でもカヌーを楽しめることが解り驚き。
 この後、着替え中に気が付いたが、装着後空気抜きしていなかったので膨らんでいる。次回からは気をつけよう

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 ドライスーツの威力はすごい。
 スーツの下には運転してきたままのジャージ。
 外からの浸水はなかったが、汗をかいたり、内部の空気の水蒸気が結露して濡れてしまった。
 着る物の温かさ程度が研究課題だ。

 なにより荷物が少なくなるのが楽だ。
 ネオプレーンのウエットスーツでは体積・重量が大きく運搬に大変なことと、帰宅後の洗濯・乾燥が大変だったが、格段の差がある。
 これから冬のダウンリバーも楽しみになった

 酒匂川はテトラポットの列など、堰が多く、事前にその存在を熟知した上で注意深く進まないと危険いっぱいの川だ。
 地元の川にも関わらずカヌーをやる立場からは残念な状況。今後もたまに注意して出かけようとは思っている。

 川の状況は今後変わる可能性も高いと思われます。

 この記事を参考にし、万一危険や事故に遭遇しても当サイトは一切苦情等を受付けず責任を負いません。

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