シジュウカラの子育て日記
 
2010.5.28 〜 6.10
 ( その後 旅行のため観察終了 )

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 2010.6.28 いつもは1日に数回庭を訪れさえづっているのに
 今日は頻繁にさえづり、居なくなったかと思うとまた姿を現す。
 どうやら、4年前に掛けた巣箱に巣作りを始めたようだ。 
 冬の間に、たまに巣箱のくり抜いた穴につかまって、中を覗いている姿を見かけていた。
 長い間観察して安全を確認して巣作りに入ったのだろうと思うと、感慨深い。
 折角なので観察を続けようと考え、このページに記録する。
 
 シジュウカラ (四十雀、Parus major) スズメ目 シジュウカラ科 シジュウカラ属

 体長 13〜16cm、スズメより一回り小さい。
 瀬は青みがかった灰色から黒褐色、腹は薄い灰色。 黄色がかった種もある。
 尾羽に黒い縦縞。嘴は黒い
 オスは喉から尾にかけての縦縞がより太い

 さえずりはツッツピー。地鳴きはツーツーやヂュクヂュクなど。

 森林や湿原などに生息するが、市街地でも見掛けられる。
 通常 渡りは行わない。

 果実、種子、昆虫など雑食

 巣は、本来木の洞に作るが、巣箱や建物の隙間なども利用する
 コケと動物の毛や羽で皿状の巣を作る。

 4〜7月に7〜10個産卵する。 抱卵期間は13〜14日。
 メスのみが抱卵するが、その間オスがメスに給餌する。
 雛は孵化後16〜22日で巣立つ。

 [ シジュウカラ画像集 ] 今までに撮り貯めたベスト画像の中の4枚










 
 [ シジュウカラ日記 ]

 2010年 5月 28日 (金) 曇

 

 4年前にシャラ(夏椿)に掛けた巣箱
 杉板を買ってきて製作。 穴の直径はシジュウカラを狙って32mm。出入りするのを見たいので穴は東向き。
 今年の冬の間、穴から首を突っ込んで様子を伺っているのを何度か見掛けたので期待していた。が春先にも入らなかったので諦め掛けていた。 意外と子育ての時期が遅いのか。
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 巣箱に苔などを運んでいるのに気が付く
 コケをしばらく運ぶと、藁のような物を少し運んでくる
 今までも庭にシジュウカラが来ると鳴き声ですぐ解った。
 このところ、ほとんど家にいたので 恐らく初めての巣入りだろう。

 巣箱の穴に足をかけ、スッと中に入る
 
巣作り中は、メスが全て材料を採り、運び、巣箱の中で整えているが、その間オスはずっと同一行動をしている。


 メスが巣箱の中にいるときは、オスは近くの枝や屋根から周囲を監視しながらさえづっている。メスが材料を採りに向かうと、オスも一緒に向かい、近くで監視している。
 ほほえましい風景だ。 夜は何処かへ行っている
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 穴の直径が気に入らないのか、エッジが気になるのか出掛ける前に少しずつ つついている

 2010年 5月 28日 (金) 晴

 午前中に撮影できたので少し光の具合がよい
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 穴から中に入る。

 家の近く30m先の畑の縁にあるコケをむしり取ってくる
 コケは近くに有るためか1〜2分周期で運び、数回すると遠くへ藁などを取りに行くようだ。
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 口いっぱいにコケをくわえ巣箱に運んでいく。重そうだ
 飛び上がると 一旦電線などに留まり少し休んでから巣へ向かう

 2010年 5月 29日 (土) 曇
 今日は巣箱に入る頻度が極端に下がった。コケなどもくわえていないようだ。
 巣を作る羽毛などは集められたのだろうか。
 もう巣は完成したのだろうか。
 これから産卵・抱卵に入るのだろうか、楽しみだ。
 地上には猫、周囲にはスズメやヒヨドリが多いので心配でもある。 
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 2010年 5月 30日 (日) 曇

 毛糸のような物を運んでいる。仕上げに近いか
 相変わらず雄雌共同作業だ。
 しかし運んでくる頻度は1時間に1回くらいと極端に低くなった。もう、そういう段階なのか?好みの材料を見つけにくくなったのか?
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 飛び出す前に穴の回りをつついているが、穴の周辺が少し色が変わってきた

 2010年 5月 31日 (月) 曇 

 朝7時半頃鳥の羽をくわえてきた。巣箱に来る頻度は更に下がった。来たのに気が付いたのは3回のみ
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 2010年 6月 1日 (火) 晴 
 久しぶりの晴。日中4時間ほど外出していたが、午前中と夕方には姿を見られなかった。

 2010年 6月 2日 (水) 晴 
 今日も1日見掛けなかった
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 2010年 6月 3日 (木) 晴 
 朝7時半に羽毛をくわえて巣に入った。 朝1晩の訪問はいつもこの時刻だった
 オスは今までより少し離れた電線に留まりメスの戻りを待っていた
 その後午前中4回ほど巣に入るのを見掛けた。今までオスは近くに来て監視しながらさえずっていたが、この時は近くに来ず、さえずりも聞こえなかった

2010年 6月 4日 (金) 晴
 今日も一日姿を確認できなかった
 
2010年 6月 5日 (土) 晴
 朝6時過ぎ、メスが巣箱に入ったまま出てこなかった。抱卵を始めたのだろうか?
 もしかすると昨日もそのような状態だったかもしれない。
 オスは姿を現さず。 夜は抱卵せずに別の所で寝るのだろうか?
 9時半頃、また入るのを見掛けた。この頃はまだメスは時々巣を抜けて自分で餌を採っているのだろうか。
 すぐには外に出てこないのは朝と同様
 
2010年 6月 6日 (日) 晴
 今日は一日姿を見掛けなかった

2010年 6月 7日 (月) 晴
 初めてオスが給餌する様子を観察することが出来た

 餌をくわえて巣の近くの小枝に留まり様子を窺う
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 しばらく当たりを警戒し

 巣の入口に首を突っ込んだ。中の様子を見ているのか
 これを2回ほど繰り返すと、餌をくわえたまま近くの電線に飛んでいった
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 電線で待つオス しばらくするとメスも巣から出て口移しで給餌 メスが受け取るとオスは飛び立ち メスが残る


 給餌行動が終えると1〜2分してメスが巣に戻ってきた 少しほっそりした様子 2枚の写真を比べてみる
 左は5月27日、10日前のメス。 右は今日6月7日。 気持ち腹がほっそりした感じがする。
 10日前に巣に入るとき、穴を通り抜けるために体をよじって入っていたが、今日はスンナリ入る。
 間違いなく産卵、抱卵していると思われる。中を見てみたい衝動に駆られるがジッと我慢。

2010年 6月 8日 (火) 晴後小雨
 朝夕巣に出入りするメスを見掛けた。オスは給餌行動をしているようだ。
 15m離れた電線の上で餌を渡しメスはそれを食べる。メスは数分間巣を留守にした後戻ってきた。
 メスは巣の中にいる間、出入りの時一切鳴き声を発しない。
 巣から出るときは一気に飛び出し、入るときは近くの枝に留まって周囲の様子をしばらく観察してから巣に飛び込むようにして入る。

2010年 6月 9日 (水) 曇時々小雨
 今日も時折餌を食べにメスが一時巣を離れ戻る。

2010年 6月10日 (木) 晴
 猫や蛇などの外敵が木や柱を登って、巣箱に危害を与えないよう金網でガードを取り付けた。
 木に触れることによる振動や音でメスは心配になり、穴から顔を出しキョロキョロ見回した後、近くの枝に出てきた。
 久しぶりにメスの後ろ姿を撮影できた。
 巣の材料を運んできた頃に比べ、明らかに腹の辺りがスリムになり、腹の羽毛が乱れている感じだ。
 産卵をしたということが、これで明確になった。
 回りの様子を見回した後、どこかへ飛んでいったので、この間にガードを完成。
 5分ほどしたら戻ってきて、すぐに巣箱に入ったので一安心。
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 メスの腹は羽毛の乱れが
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 侵入者防止網設置

  この後 3週間、北海道旅行で巣立ちの時期は留守したため、帰宅した時には巣箱はモヌケノ殻だった。
 無事 巣立ったことを祈り過ごしていると 何度かシジュウカラの親子数羽が庭に立ち寄ることがあった。
 恐らく我々の巣箱から巣立った一家だろうと安堵した。
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 巣だった後の巣箱の内部。
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